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珍しい血液型とは?ボンベイ型・Rhnull・Jr(a−)の割合と輸血対策を2026年徹底解説

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珍しい血液型とは?ボンベイ型・Rhnull・Jr(a−)の割合と輸血対策を2026年徹底解説
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🎵 珍しい血液型とは?ボンベイ型・Rhnull・Jr(a−)の割合と輸血対策を2026年徹底解説

自分の血液型といえば、A型・B型・O型・AB型、そしてRhプラスやRhマイナスを思い浮かべる人が多いはずです。しかし、赤血球の血液型にはABO式やRh式以外にも数多くの種類があり、日本人の中にも数千人に1人、あるいは数十万人に1人という非常に珍しい血液型を持つ人がいます。

こうした血液は「稀血(まれけつ)」と呼ばれ、通常の血液型では適合する輸血用血液を確保できない場合があります。日本赤十字社によると、稀血にはボンベイ型(Oh型)やD--(バーディーバー)型など20種類以上があり、一部はマイナス80℃以下で凍結保存され、必要な患者に備えられています。2026年の医学研究でも、Rhnull型やJr(a−)型などの希少血液型について新たな知見が整理されています。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】

  • 稀血の定義:一般に出現頻度がおおむね1%以下で、適合する輸血用血液の確保が難しい血液型を指す。
  • 代表的な種類:ボンベイ型、Rhnull型、Jr(a−)型、Di(b−)型、D--型などがある。
  • Rhマイナスとの違い:日本人のRh陰性は約0.5%だが、日本赤十字社では献血血液を広く検査しているため、稀血とは区別して扱っている。
  • 輸血への備え:日本赤十字社は希少血液型の献血者登録や凍結保存を通じて、必要な血液の確保に取り組んでいる。
  • 2026年の最新情報:遺伝子解析や医学レビューによって、希少血液型の発生メカニズムや輸血上の課題への理解が進んでいる。

【珍しい血液型とは?】稀血の意味とAB型・Rhマイナスとの違い

珍しい血液型
【画像】珍しい 血液 型 関連ショット

珍しい血液型を理解するためには、まず「血液型」という言葉の意味を整理する必要があります。

一般的な血液型検査で調べるのは、主にABO式血液型とRh(D)血液型です。しかし、人間の赤血球の表面には、それ以外にも数多くの抗原が存在しています。

稀血は出現頻度だけでなく輸血の難しさで判断される

珍しい血液型
【画像】珍しい 血液 型 関連ショット

日本赤十字社の血液型に関する解説では、まれな血液型は、一般に出現頻度がおおむね1%以下で、輸血時に同型の血液を確保することが難しくなる可能性のある血液型と説明されています。

ここでいう抗原とは、赤血球の表面に存在する目印のようなものです。輸血を受けた人が、自分にはない抗原を持つ赤血球に触れると、その抗原に対する抗体を作る場合があります。

この抗体が不規則抗体です。抗体を持つ患者に対応する抗原を持った血液を輸血すると、赤血球が破壊される溶血性輸血副作用につながる可能性があります。

つまり、稀血の問題は単に同じ血液型の人が少ないというだけではありません。一般的な血液型が一致していても、赤血球の細かな抗原の違いによって輸血できないケースがあることが本質です。

AB型と珍しい血液型は何が違う?

珍しい血液型
【画像】珍しい 血液 型 関連ショット

AB型はABO式血液型の一種です。赤血球にA抗原とB抗原の両方を持つことによって分類されます。

一方、稀血はABO式だけでは説明できない赤血球抗原の特徴を含みます。例えば、AB型の人がJr(a−)型という特徴を持つこともあり、A型やO型などの分類と稀血の分類は別のものです。

日本赤十字社の「赤血球の血液型」の解説では、赤血球膜にはABOやRhなど400種類を超える赤血球抗原が存在するとされています。普段の血液型検査で確認する項目は、その膨大な種類の一部にすぎません。

Rhマイナスと稀血は同じではない

Rhマイナスは、Rh血液型のうち特に重要なD抗原を持たない状態です。日本人におけるRh陰性の頻度は約0.5%、およそ200人に1人とされています。

数字だけを見ると、Rhマイナスも十分に珍しい血液型です。しかし、日本赤十字社の長野県赤十字血液センターは、Rhマイナスの献血者についても検査を実施しているため、通常の稀血とは区別して扱うと説明しています。

ここが大きなポイントです。稀血かどうかは、人口に占める割合だけで決まるわけではありません。適合する血液をどの程度確保できるか、必要な抗原検査や献血者の管理体制が整っているかも関係します。

【一覧表】珍しい血液型の種類と日本人における出現割合

日本赤十字社の兵庫県赤十字血液センターが公開している情報を中心に、代表的な稀血の種類と出現頻度を整理しました。

なお、血液型によっては国内の公開資料に具体的な頻度が掲載されていません。また、研究対象や検査方法によって数値に差が生じるため、以下は各資料で示された目安です。

血液型出現頻度の目安主な特徴
Fy(a−)型約100人に1人Duffy抗原の一種を持たない
Di(b−)型約500人に1人Diego式のDi(b)抗原を持たない
Jr(a−)型約3,000人に1人(日赤公開値)高頻度抗原Jr(a)を持たない
Oh(ボンベイ)型極めてまれ赤血球にH抗原が存在しない
パラボンベイ型極めてまれH抗原の発現が弱い、または通常と異なる
D--(バーディーバー)型約20万人に1人との報告D抗原を持つ一方、C・c・E・e抗原を欠く
Rhnull型世界的な概算で約600万人に1人Rh系抗原をすべて欠く

この表から分かるように、珍しい血液型には比較的頻度の高いものから、世界的にも確認例が極めて少ないものまであります。

日本赤十字社は、Oh型、D--型、Ko型なども含め、国内で20種類以上の稀血を扱っています。

Jr(a−)型の頻度は資料によって異なる

Jr(a−)型については、頻度の違いにも注目する必要があります。

日本赤十字社の兵庫県赤十字血液センターの公開案内では約3,000人に1人とされています。一方、2018年に日本輸血・細胞治療学会誌に掲載された北関東の献血者約40万人を対象とする研究では、400,000人中238人に確認され、出現頻度は0.060%、約1,667人に1人でした。

また、2026年6月にPeerJで公表されたJR血液型システムのレビューでは、日本人の過去の研究結果として約0.05~0.07%という数値が紹介されています。

こうした違いは、調査対象や検査方法、集計時期などによって生じます。Jr(a−)型の頻度を一つの数字だけで断定するよりも、調査条件を含めて理解することが大切です。

【代表的な稀血を徹底解説】ボンベイ型・Rhnull・Jr(a−)・D--の特徴

稀血の中でも、特に輸血上の問題が大きいものとして知られているのが、ボンベイ型、Rhnull型、Jr(a−)型、D--型などです。それぞれ欠けている抗原や遺伝的な仕組みが異なります。

1.ボンベイ型(Oh型)はO型の血液でも輸血できない

ボンベイ型は、1952年にインドのボンベイ(現在のムンバイ)で発見されたことに由来する血液型です。

通常、ABO式血液型のA抗原やB抗原は、H抗原という共通の土台をもとに作られます。ところが、古典的なボンベイ型では赤血球にH抗原が存在しません。

そのため、A抗原もB抗原も作ることができず、一般的なABO式の検査ではO型のように見える場合があります。

しかし、通常のO型とは決定的な違いがあります。ボンベイ型の人はH抗原に対する抗H抗体を持つため、H抗原を持つ一般的なO型の血液を輸血すると、重い溶血性輸血副作用を起こす危険があります。

つまり、ボンベイ型の人は一般的なO型の血液を受け取ることができず、原則として同じボンベイ型の適合血が必要になります。

通常のABO式血液型検査だけでは判定が難しい場合もあるため、特殊な検査による確認が欠かせません。

2.パラボンベイ型はH抗原の発現が弱い

パラボンベイ型は、ボンベイ型と同じくH抗原に関係する珍しい血液型ですが、赤血球上のH抗原が完全に欠如しているとは限りません。

H抗原が非常に弱く発現していたり、赤血球上ではほとんど確認できなかったりする一方、唾液などの体液にはH物質が存在する場合もあります。

これは、H抗原の生成に関係するFUT1遺伝子と、分泌型のH物質に関係するFUT2遺伝子の働きが関係しています。

抗H抗体や抗HI抗体などの反応性にも個人差があるため、ボンベイ型とパラボンベイ型を区別するには、赤血球の抗原検査だけでなく、血清中の抗体の性質なども確認する必要があります。

見た目の血液型が似ていても、輸血に必要な適合条件は同じとは限りません。

3.Rhnull型はすべてのRh抗原を持たない

Rhnull(アールエイチヌル)型は、Rh血液型システムに属する抗原を赤血球表面にすべて持たない、極めて珍しい血液型です。

通常のRhマイナスはD抗原がない状態を指しますが、Rhnull型ではDだけでなく、Rh系のほかの抗原も欠如しています。

この違いは非常に大きく、Rhnull型の人が一般的なRh血液型の血液に触れると、複数のRh抗原に対する抗体を作る可能性があります。特に抗Rh29抗体が問題になると、輸血できる血液の確保が極めて困難になります。

Rhnull型は「ゴールデンブラッド」と呼ばれることもあります。ただし、これは医学的な正式分類名ではなく、希少性を表現した通称です。

さらに、Rhnull型では赤血球膜の構造にも影響が及ぶことがあります。赤血球の寿命が短くなり、慢性的な溶血性貧血などが見られるケースも報告されています。

2026年に医学誌『Immunohematology』で公表されたレビューでは、2025年5月までの文献を対象に、Rhnull型の8人を含む6報の研究が整理されました。症例数が限られていることからも、医学的に非常に希少な表現型であることが分かります。

4.Jr(a−)型は高頻度抗原Jr(a)を欠く

Jr(a−)型は、日本人の稀血を語るうえで特に重要な血液型です。

JR血液型システムに属するJr(a)抗原は、多くの人の赤血球に存在する高頻度抗原です。この抗原を持たない人がJr(a−)型に分類されます。

遺伝的にはABCG2遺伝子が関係しており、この遺伝子の機能を失う変異などによってJr(a−)型になります。

問題になるのは、Jr(a−)型の人がJr(a)抗原に対する抗Jr(a)抗体を作る場合です。抗体が確認された患者には、原則としてJr(a)抗原を持たない適合血が必要になります。

2018年の北関東の献血者研究では、Jr(a−)型の献血者238人が確認されました。この研究では抗Jr(a)抗体を持つ35人が確認され、全員が女性でした。妊娠・出産による免疫刺激が抗体産生に関係する可能性も示されています。

Jr(a−)型は欧米の集団では特に珍しい一方、日本や韓国など東アジアでは相対的に多く確認されています。世界的な希少血液の供給体制を考えるうえでも、日本の献血者が重要な存在になっています。

5.Di(b−)型は日本人の稀血の中でも確保が必要

Di(b−)型は、Diego(ディエゴ)式血液型に属するDi(b)抗原を持たない血液型です。

日本赤十字社の兵庫県赤十字血液センターの公開資料では、出現頻度は約500人に1人とされています。

Diego式血液型は、赤血球膜にあるタンパク質に関係する血液型システムです。Di(a)抗原とDi(b)抗原などが知られ、遺伝的な違いによって抗原の組み合わせが決まります。

Di(b)抗原を持たない人が抗Di(b)抗体を作った場合、適合する血液を探す必要があります。日本赤十字社の公開情報でも、Di(b−)型は確保が必要な稀血の一つとして紹介されています。

6.D--(バーディーバー)型はRh系抗原の組み合わせが特殊

D--型は「ディーダッシュダッシュ」または「バーディーバー」と呼ばれる、非常に珍しいRh血液型です。

通常のRh血液型にはD、C、c、E、eなどの抗原があります。D--型は、D抗原を持つ一方でC・c・E・e抗原を欠くという特徴があります。

一般的なRhマイナスとは異なり、D抗原は存在します。しかし、ほかのRh抗原が欠如しているため、それらに対する抗体を産生する可能性があります。

特に問題になるのが、ほとんどの人が持つ高頻度抗原Rh17に対する抗Rh17抗体です。この抗体ができると、通常のRh血液型の血液を確保することが難しくなります。

2014年に日本造血細胞移植学会雑誌で報告された症例研究では、日本人におけるD--型の頻度は約20万人に1人とされています。2026年9月にも、D--型と抗Rh17抗体の臨床的な問題を整理した医学レビューが公表されています。

【なぜ珍しい血液型になる?】遺伝子・抗原・人種による違い

珍しい血液型になる理由は、基本的には遺伝子の違いにあります。生活習慣や食事、運動、年齢などによって、通常の血液型が稀血に変化するわけではありません。

遺伝子の変異によって赤血球の抗原が変わる

赤血球の表面にある抗原は、特定の遺伝子の働きによって作られます。その遺伝子に変異があると、抗原が作られなかったり、通常より弱く発現したりします。

代表的な関係を整理すると、次のようになります。

  • ボンベイ型・パラボンベイ型:H抗原の生成に関係するFUT1・FUT2遺伝子が関係する。
  • Rhnull型:RH遺伝子群やRh関連タンパク質に関係するRHAG遺伝子などの異常が関係する。
  • Jr(a−)型:ABCG2遺伝子の機能を失う変異などが関係する。
  • D--型:Rh血液型に関係する遺伝子の特殊な構成が関係する。
  • Di(b−)型:Diego抗原をコードするSLC4A1遺伝子が関係する。

こうした遺伝子の変異は、親から子へ受け継がれる場合があります。特定の遺伝子変異を両親から受け継ぐことで、非常に珍しい血液型が現れるケースもあります。

民族や地域によって出現頻度が異なる

珍しい血液型の出現頻度は、世界中で均一ではありません。

例えば、Jr(a−)型は日本や韓国などの東アジアの集団で比較的多く確認される一方、欧州やアフリカの集団ではより珍しいとされています。

Diego式血液型のDi(a)抗原も、日本人を含む東アジアの集団で比較的多く見られる抗原です。反対に、欧米の一部の集団では頻度が低くなります。

この違いは、人類の移動や集団ごとの遺伝的な特徴、特定の地域における遺伝子変異の受け継がれ方などが関係しています。

そのため、ある国では珍しい血液型が、別の国ではそれほど珍しくないということも起こります。国際的な稀血の確保では、こうした地域差を考慮する必要があります。

珍しい血液型だからといって病気とは限らない

稀血と聞くと、身体に何らかの異常があるのではないかと心配する人もいるかもしれません。

しかし、多くの稀血は赤血球表面の抗原の違いを示すものであり、それだけで病気と判断されるわけではありません。

一方、Rhnull型のように赤血球膜の構造に関係する血液型では、赤血球の寿命が短くなり、溶血性貧血を伴うことがあります。

つまり、血液型の希少性と健康状態は分けて考える必要があります。重要なのは、本人の血液型と抗体の状態を正確に把握し、必要な医療に備えることです。

【輸血・献血はどうなる?】日本赤十字社の稀血登録制度と確保の仕組み

稀血の人が輸血を必要とした場合、最も大きな課題になるのが適合する血液を見つけることです。

一般的な血液型であれば、血液センターの在庫から適合する血液を探せる場合が多くあります。しかし、数千人に1人、数十万人に1人という血液型では、通常の在庫だけでは対応できないことがあります。

日本赤十字社は稀血の献血者を登録している

日本赤十字社は、稀血の患者に必要な血液を確保するため、特殊な血液型を持つ献血者の検査や登録を行っています。

長野県赤十字血液センターの案内によると、検査によって稀血と判定された献血者には、登録への協力を郵送で依頼しています。

登録者の血液型は管理され、医療機関から稀血の輸血用血液が必要だという要請があった場合、患者と適合する献血者を探します。

適合する登録者が見つかると、電話などで献血への協力を依頼する仕組みです。

この制度の目的は、単に珍しい血液型を記録することではありません。必要な患者が発生した際に、迅速に適合する血液を確保できるようにすることです。

稀血の輸血ではABO・Rh以外の検査も必要

輸血の際には、ABO式とRh(D)式の一致だけでなく、不規則抗体の有無や、患者が持つ抗体に対応する抗原の有無も確認します。

例えば、Jr(a−)型で抗Jr(a)抗体を持つ患者の場合、単にABO式の血液型が一致しているだけでは十分ではありません。

抗体に対応する抗原を持たない血液を選び、交差適合試験などによって安全性を確認する必要があります。

日本赤十字社は赤血球の血液型に関する情報の中で、不規則抗体が確認された場合、対応する抗原が陰性の血液を輸血することを考慮する必要があると説明しています。

稀血の献血者はなぜ登録が必要なのか

珍しい血液型の血液を必要なときに大量に集めることは容易ではありません。患者の輸血予定が決まっていても、適合する献血者がすぐに献血できるとは限らないからです。

特に、同じ稀血でも不規則抗体の種類や反応性によって適合条件が異なるため、単純に同じ血液型の人を探せば解決するわけではありません。

登録制度によって、あらかじめ血液型を把握した献血者の情報を管理できれば、患者が必要とするタイミングで適合者を探しやすくなります。

なお、一般の献血者が自分で稀血を名乗って登録する制度ではありません。通常は血液センターによる検査で対象となる血液型が確認され、その後、登録への協力が依頼されます。

【凍結保存の仕組み】珍しい血液型をマイナス80℃以下で保管する理由

稀血の確保を支える重要な技術が、赤血球の凍結保存です。

通常の赤血球製剤は冷蔵保存されますが、長期間にわたって保存する必要がある稀血では、凍結という方法が利用されます。

凍結保存なら長期間の備蓄が可能

日本赤十字社の公開情報では、稀血の一部をマイナス80℃以下で凍結保存し、輸血に備えていると説明されています。保存期間は国の基準に基づき10年間とされています。

また、2025年12月現在の日本赤十字社の輸血用血液製剤添付文書には、「照射凍結赤血球-LR『日赤』用時解凍洗浄」という製剤が掲載されています。この製剤の保存条件はマイナス65℃以下、凍結後10年間です。

公開されている一般向け解説と個別製剤の添付文書では温度表記が異なります。実際の保存条件は、対象となる製剤の規格に従って管理されています。

凍結する際には凍害保護液を使用する

血液をそのまま凍らせると、氷の結晶などによって赤血球の膜が損傷する可能性があります。

そこで、凍結保存では凍害保護液を加え、赤血球が凍結によって受けるダメージを抑えます。代表的な方法ではグリセリンを使用します。

実際の流れは次のとおりです。

  1. 血液の検査:献血された血液の血液型や感染症などを検査し、製剤としての安全性を確認する。
  2. 凍害保護液の添加:赤血球を凍結による損傷から守るための保護液を加える。
  3. 低温凍結:規定の温度で凍結し、長期保存する。
  4. 必要時に解凍:患者に適合する血液が必要になった段階で解凍する。
  5. 保護液の除去:洗浄によって凍害保護液を取り除き、輸血用の製剤に調製する。

日本赤十字社の血液用語集でも、解凍赤血球濃厚液について、凍害保護液を加えて凍結し、解凍後に保護液を洗浄除去する仕組みが説明されています。

凍結保存は、必要なときにすぐ採血できるとは限らない稀血を、長期間にわたって確保しておくための重要な方法です。

すべての稀血が凍結保存されるわけではない

稀血の保存は、すべての血液型を同じ数だけ備蓄するという単純な仕組みではありません。

出現頻度や医療現場での需要、確保できる献血者数などを考慮し、赤血球液として管理する場合と凍結血液として保存する場合があります。

また、凍結血液は解凍後に洗浄や調製が必要になるため、通常の冷蔵血液と同じようにすぐ使えるわけではありません。

患者の輸血予定や緊急性を踏まえ、血液センターと医療機関が連携して準備する必要があります。

【2026年最新】稀血をめぐる医学研究と知っておきたい誤解

2026年は、希少血液型の遺伝的な仕組みや輸血上の問題を整理する医学レビューが複数発表されています。特にRhnull型、D--型、Jr(a−)型に関する研究は、今後の血液型判定や輸血医療を考えるうえで参考になります。

2026年6月:Jr(a−)型の遺伝子と臨床的重要性を整理

2026年6月15日、医学誌『PeerJ』にJR血液型システムを扱ったレビューが掲載されました。

この研究では、JR血液型システムが2012年に国際輸血学会(ISBT)によって正式な血液型システムとして整理された経緯や、Jr(a)抗原とABCG2遺伝子の関係がまとめられています。

Jr(a−)型の背景にはABCG2遺伝子の機能を失う変異があり、複数の遺伝子変異が報告されています。遺伝子解析が進むことで、血清学的な検査だけでは判定が難しいケースについても理解が深まっています。

2026年7月:Rhnull型の症例と輸血の課題を再整理

2026年7月には『Immunohematology』にRhnull型のスコーピングレビューが掲載されました。

同レビューでは、2025年5月までの医学文献を調査し、6報に記載された8人の症例を分析しています。

慢性的な溶血、赤血球の形態異常、輸血に適合する血液の確保が難しいことなどが主な論点です。

また、輸血や妊娠をきっかけに抗Rh29抗体が生じた場合、Rhnull型の血液を持つ家族や凍結保存血液、希少血液型の献血者登録制度などが輸血の選択肢になると整理されています。

2026年9月:D--型と抗Rh17抗体の問題を解説

2026年9月には、D--型と抗Rh17抗体についての総説も公表されました。

D--型ではD抗原が存在する一方、C・c・E・e抗原が欠如しています。この特徴によって、一般的な血液型の人には広く存在するRh17抗原に対する抗体を作る可能性があります。

このレビューでは、血液型の識別、輸血管理、妊娠時の対応、希少血液型の献血者ネットワークなどが取り上げられています。

珍しい血液型に関するよくある誤解

稀血については、血液型の知名度や出現頻度だけで判断してしまう誤解もあります。特に次の3点は押さえておきたいところです。

誤解1:Rhマイナスなら必ず稀血である

Rhマイナスは日本人の約0.5%に見られますが、日本赤十字社では献血者の検査体制が整っているため、稀血とは区別しています。Rhマイナスであることと、輸血用血液の確保が極めて難しい稀血であることは同じではありません。

誤解2:O型なら誰にでも輸血できる

O型の赤血球はA抗原とB抗原を持たないため、ABO式では適合範囲が広い血液型です。しかし、H抗原を持たないボンベイ型の患者には、一般的なO型の血液を輸血できない場合があります。O型だからすべての患者に安全というわけではありません。

誤解3:珍しい血液型は必ず健康上の問題を起こす

稀血の多くは赤血球の抗原の違いであり、希少性だけで健康上の問題があるとは判断できません。ただし、Rhnull型のように赤血球膜の構造に関係するケースでは、貧血などの医学的な問題を伴う場合があります。

2026年時点で押さえておきたいのは、稀血の判定や輸血対応が、単純なABO式・Rh式の分類から、より詳細な抗原検査や遺伝子解析を組み合わせる方向に進んでいることです。

【珍しい血液型に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:日本人で最も珍しい血液型は何ですか?
A1:代表例としてRhnull型やボンベイ型、D--型などが挙げられます。Rhnull型は世界的な概算で約600万人に1人とされ、D--型は日本人で約20万人に1人との報告があります。ただし、すべての稀血を同一の基準で順位付けできるわけではありません。

Q2:Rhマイナスと稀血は何が違うのですか?
A2:RhマイナスはRh血液型のD抗原がない状態です。日本人では約0.5%に見られます。稀血は、一般に出現頻度がおおむね1%以下で、適合血の確保が難しい血液型を指します。日本赤十字社ではRhマイナスを通常の稀血とは区別して扱っています。

Q3:ボンベイ型の人はO型の血液を輸血できますか?
A3:原則としてできません。古典的なボンベイ型はH抗原を持たず、抗H抗体を持つため、通常のO型血液を輸血すると重い溶血性輸血副作用を起こす危険があります。同じH抗原欠損の血液など、適合性が確認された血液が必要です。

Q4:Jr(a−)型は日本人にどのくらいいますか?
A4:日本赤十字社の公開案内では約3,000人に1人です。一方、2018年の北関東の献血者約40万人を対象とした研究では0.060%、約1,667人に1人でした。調査対象や検査方法によって数値に違いがあります。

Q5:珍しい血液型は遺伝するのでしょうか?
A5:はい。多くの稀血は遺伝子の変異によって生じ、親から子へ受け継がれる場合があります。ただし、親の血液型だけから子どもの詳細な赤血球抗原の組み合わせを判断することはできません。

Q6:珍しい血液型の人は献血に登録できますか?
A6:日本赤十字社では、検査で稀血と判定された献血者に登録への協力を依頼しています。登録者の血液型は管理され、患者に適合する血液が必要になった場合に献血協力をお願いする仕組みです。

Q7:稀血は何年間保存できるのですか?
A7:日本赤十字社の公開資料では、凍結保存した稀血の保存期間は10年間とされています。2025年12月現在の凍結赤血球製剤の添付文書にも、凍結後10年間という保存条件が記載されています。必要時には解凍して凍害保護液を洗浄除去し、輸血用に調製します。

まとめ:珍しい血液型は希少性よりも輸血時の適合性が重要

珍しい血液型には、ボンベイ型、パラボンベイ型、Rhnull型、Jr(a−)型、Di(b−)型、D--型など、さまざまな種類があります。それぞれ赤血球の表面に存在する抗原や、抗原を作る遺伝子の働きが異なります。

特に重要なのは、Rhマイナスと稀血を同じものとして扱わないことです。Rhマイナスは日本人の約0.5%に見られますが、稀血は抗原の欠如や不規則抗体の存在によって、適合する血液を確保することが難しくなる点に特徴があります。

また、ボンベイ型のように通常のO型血液が適合しないケースや、Rhnull型・D--型のように同じ特徴を持つ献血者が極めて少ないケースもあります。

こうした問題に対応するため、日本赤十字社は稀血の献血者登録、適合血の検索、凍結保存などを組み合わせた体制を整えています。特に凍結保存は、通常の冷蔵保存では長期間確保できない希少な赤血球を、必要な患者のために備蓄する重要な技術です。

【プロの結論】

珍しい血液型を理解する際に大切なのは、「何人に1人か」という数字だけで判断しないことです。医学的に重要なのは、どの抗原を持たないのか、どの抗体を作っているのか、そして実際に適合する血液を確保できるかという3つの視点です。

2026年は遺伝子解析や医学研究の進展によって、これまで判定が難しかった希少血液型への理解も深まっています。一方、どれほど検査技術が進歩しても、実際に輸血に使える血液を提供する献血者の存在は欠かせません。

自分の血液型に関心がある人は、ABO式やRh式だけでなく、必要に応じて医療機関で不規則抗体や特殊な赤血球抗原について相談することも選択肢になります。稀血と判定された人にとっては、日本赤十字社の献血者登録制度への協力が、同じ血液型を必要とする患者の命を支えることにつながります。

血液型の多様性を知ることは、普段は見えにくい輸血医療の仕組みと、献血が支える医療インフラの大切さを知ることでもあります。

主な参照資料・医学的根拠

- 日本赤十字社「血液型について」「稀血/まれな血液」
- 日本赤十字社「HLA・まれな血液型」
- 日本赤十字社「赤血球の血液型」
- 日本輸血・細胞治療学会誌・北関東のJr(a−)型献血者研究(2018年)
- PeerJ「The JR blood group system: from discovery to the clinic」(2026年6月)
- Immunohematology・Rhnull型の症例レビュー(2026年)
- Immunohematology・D--型と抗Rh17抗体のレビュー(2026年)
- 日本赤十字社「輸血用血液製剤添付文書集」(2025年12月現在)・九州ブロック血液センター血液用語集
- 米国国立医学図書館「Blood Groups and Red Cell Antigens」 (出典: 珍しい 血液 型(Yahoo!ニュース))

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珍しい血液型

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井上 大輝 (Daiki Inoue)

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