【青色1号の正体】ブリリアントブルーFCFとは何者なのか?
青色1号は、食品に鮮やかな青色を付ける目的で使われる合成着色料です。食品添加物としての正式名称は「食用青色1号」、英語名は「Brilliant Blue FCF(ブリリアントブルーFCF)」です。
青色1号の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日本での名称 | 食用青色1号 |
| 英語名 | Brilliant Blue FCF |
| 通称 | 青1、ブリリアントブルー |
| 分類 | 合成着色料・タール色素 |
| 化学系統 | トリアリールメタン系 |
| 分子式 | C37H34N2Na2O9S3 |
| CAS番号 | 3844-45-9 |
| 国際番号 | INS 133 |
| EUでの番号 | E133 |
| 主な用途 | 食品の着色 |
なぜ食品に青色1号を使うのか?
食品に青色を付ける理由は、見た目の印象を調整し、商品の色彩を安定させるためです。
天然の食品素材だけで鮮やかな青色を出すのは難しく、製造工程や保存条件によって色が変化することもあります。
青色1号には、次のような特徴があります。
- 少量でも鮮やかな青色を出しやすい
- 水に溶けやすく、飲料などに使用しやすい
- 色の再現性に優れている
- 食品の製造工程で一定の着色効果を得やすい
JECFAの2017年評価資料では、青色1号が日本、米国、EUなどで使用され、菓子、チューインガム、乳製品、ケーキ、飲料、冷菓などの着色に利用されていることが紹介されています。
タール色素とは?
タール色素とは、化学的に合成して製造される着色料の総称です。
「タール」という名称から石炭由来の危険な物質を連想する人もいますが、現在の食用タール色素は、化学構造や純度などを規格によって管理された食品添加物です。
日本で指定されている代表的な食用タール色素には、次の種類があります。
- 赤色系:食用赤色2号、3号、40号、102号、104号、105号、106号
- 黄色系:食用黄色4号、5号
- 緑色系:食用緑色3号
- 青色系:食用青色1号、2号
2025年6月の消費者庁資料でも、これら12種類が日本で指定添加物として扱われていることが整理されています。
【日本の使用基準】青色1号はどんな食品に使える?禁止される食品も解説
青色1号について最初に押さえたいのは、日本では食品添加物として使用が認められているものの、どの食品にも自由に使用できるわけではないという点です。
2026年現在、日本では指定添加物として使用可能
食品衛生法第12条に基づく指定添加物制度では、原則として指定された食品添加物だけが食品への使用を認められています。
青色1号はこの指定添加物に該当します。
食品添加物の安全性については、食品安全委員会による食品健康影響評価などを踏まえ、成分規格や使用基準が定められます。
2026年10月現在、青色1号は日本の指定添加物として扱われており、全面禁止にはなっていません。
青色1号の使用が禁止されている食品
重要なのが、食用タール色素に共通する使用制限です。
消費者庁が2025年6月3日に公表した資料では、食品衛生法に基づく規格基準などによって、食用タール色素を使用できない食品として次の18種類を挙げています。
- カステラ
- きなこ(うぐいす粉を除く)
- 魚肉漬物
- 鯨肉漬物
- こんぶ類
- しょう油
- 食肉
- 食肉漬物
- スポンジケーキ
- 鮮魚介類(鯨肉を含む)
- 茶
- のり類
- マーマレード
- 豆類
- みそ
- めん類(ワンタンを含む)
- 野菜
- わかめ類
これらは食用タール色素の使用基準に関する制限であり、青色1号だけを対象とした禁止リストではありません。
つまり、青い色を付ける必要があるからといって、すべての食品に青色1号を使用できるわけではないのです。
使用量に上限はある?
ここは少し誤解されやすい部分です。
食品添加物の使用基準には、対象食品や最大使用量を定めるものがあります。一方、青色1号については、すべての食品に共通する一律の数値上限だけで管理されているわけではありません。
食用タール色素については、使用できない食品の指定や成分規格などが設けられています。
また、青色1号そのものにも純度や不純物に関する規格があります。
厚生労働省の「食品、添加物等の規格基準」に定められた青色1号の規格では、例えば次の項目が管理されています。
- 鉛:2μg/g以下
- マンガン:50μg/g以下
- クロム:50μg/g以下
- ヒ素:3μg/g以下
- 副成色素:6%以下
これらは食品中に使用できる量ではなく、着色料原体の品質・純度に関する基準です。混同しないようにしましょう。
【青色1号を含む食品と表示】スーパーで見分ける方法
青色1号は、青色を強調した食品や、複数の着色料を組み合わせて色を調整する食品などで使用されます。
ただし、商品が青色だからといって、必ず青色1号が含まれているわけではありません。
青色1号が使われる可能性のある食品
代表的な食品カテゴリーは次のとおりです。
| 食品カテゴリー | 使用される目的 |
|---|---|
| グミ・キャンディー | 鮮やかな青色を付ける |
| 清涼飲料水 | 飲料の色を調整する |
| アイス・氷菓 | 青色の外観を演出する |
| チューインガム | 色彩を付ける |
| ケーキの装飾材料 | アイシングなどを着色する |
| 菓子類 | 商品の色調を整える |
実際の配合は商品ごとに異なります。上記の食品カテゴリーに該当するからといって、すべてに青色1号が含まれるわけではありません。
青色1号の食品表示はどう書かれる?
日本の食品表示基準では、着色料として使用する場合、原則として用途名と物質名を併記します。
代表的な表示例は次のとおりです。
食品表示の例
表示例1
表示例2
表示例3
青色1号は着色料の用途名表示が必要な添加物に含まれます。
ただし、添加物の名称に「色」の文字が含まれる場合には、用途名である「着色料」を省略できる規定もあります。そのため、表示が必ず「着色料(青色1号)」という形になるとは限りません。
原材料表示をチェックするときのポイント
買い物の際には、パッケージ裏面の原材料名や添加物欄を確認してください。
特に次の表記を覚えておくと便利です。
- 青色1号
- 食用青色1号
- 青1
- ブリリアントブルーFCF
なお、「着色料」としか書かれていないように見える商品については、表示の省略規定や原材料表示全体を確認する必要があります。
青色1号を避けたい場合は、商品の色ではなく原材料表示で判断することが確実です。
【青色1号の安全性と危険性】発がん性・子どもへの影響を科学的に検証
青色1号を検索する人が特に気にするのが、発がん性や長期的な健康への影響です。
ここでは、国際的な食品添加物評価機関であるJECFAの2017年評価を中心に整理します。
青色1号に発がん性はある?
JECFAは、青色1号についてマウスやラットを用いた長期毒性試験などを評価しています。
その結果、動物試験から青色1号の発がん性に関する懸念は認められないと結論づけました。
遺伝毒性についても、複数の試験結果を総合的に評価し、懸念はないと判断しています。
ただし、研究内容を詳しく見ると、単純にすべての試験が陰性だったわけではありません。
一部の培養細胞を用いた試験では陽性結果も報告されていました。しかし、JECFAは試験上の問題点や、生体内で実施された試験の陰性結果などを考慮し、最終的に遺伝毒性の懸念はないと評価しています。
この違いは重要です。
培養細胞で何らかの反応が観察されたというだけで、人が食品から通常摂取する場合にも発がん性があると判断することはできません。
青色1号のADI(許容一日摂取量)とは?
青色1号の安全性を理解するうえで欠かせないのが、ADIです。
ADIとは、毎日一生涯にわたって摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量を指します。
JECFAが2017年に設定した青色1号のADIは次のとおりです。
青色1号の許容一日摂取量
体重別に単純換算した場合
体重20kgの人
120mg/日
体重50kgの人
300mg/日
体重60kgの人
360mg/日
この数値は、特定の食品を一度に食べてよい量ではありません。食品や飲料など、さまざまな経路から摂取する青色1号の合計量について考えるための基準です。
また、ADIは健康への悪影響が生じる境界線を示すものではありません。安全性評価における不確実性を考慮して設定されています。
子どもが青色1号を摂取しても大丈夫?
子どもへの影響は、大人とは別に考える必要があります。
理由は、子どもは体重が軽いため、同じ量を摂取しても体重1kg当たりの摂取量が大きくなるからです。
JECFAの2017年評価では、子どもの高摂取群について、体重1kg当たり1日5mgという保守的な摂取量推計が検討されました。
この推計値はADIの6mg/kg体重/日を下回っています。
そのため、JECFAは子どもを含む各年齢層について、食事からの青色1号の摂取による健康上の懸念はないと判断しています。
子どもの集中力やADHDとの関係は?
合成着色料と子どもの行動に関する研究は、保護者の関心が高いテーマです。
JECFAの評価資料には、青色1号を用いたマウスの神経行動発達に関する研究も記載されています。
高用量の投与群では、探索行動などに統計的な変化が一部認められました。
しかし、結果には一貫性がなく、ほかの複数の行動試験では影響が認められませんでした。
JECFAは、これらの結果について安全性評価の根拠に採用できるほど確かなものではないと判断しています。
ここから読み取れるのは、次の2点です。
- 青色1号が子どものADHDを引き起こすと証明されたわけではない。
- 高用量での動物実験結果を、人間の通常の食品摂取にそのまま当てはめることはできない。
また、英国で報告された合成着色料と保存料の混合摂取に関する研究も、特定の着色料単独の影響を証明するものではありません。
青色1号だけを原因として子どもの行動や発達への影響を断定するのは適切ではありません。
【青色1号と青色2号の違い】安全性・化学構造・ADIを比較
青色1号と青色2号は、どちらも食品に青色を付けるための合成着色料です。
しかし、名称が似ているだけで、同じ物質ではありません。
青色1号と青色2号の比較表
| 比較項目 | 青色1号 | 青色2号 |
|---|---|---|
| 正式名称 | 食用青色1号 | 食用青色2号 |
| 英語名 | Brilliant Blue FCF | Indigo Carmine |
| 別名 | ブリリアントブルーFCF | インジゴカルミン |
| 化学系統 | トリアリールメタン系 | インジゴ系 |
| 分子式 | C37H34N2Na2O9S3 | C16H8N2Na2O8S2 |
| 国際番号 | INS 133 | INS 132 |
| EU番号 | E133 | E132 |
| JECFAのADI | 0〜6mg/kg体重/日 | 0〜5mg/kg体重/日 |
色味や特徴はどう違う?
青色1号は、鮮やかで明るい青色を表現しやすい着色料です。
一方、青色2号はインジゴカルミンという別の化合物で、やや紫みを帯びた青色が特徴です。
色の仕上がりや食品との相性によって、メーカーは着色料を選択します。
青色2号のほうが安全なのか?
ここで注目したいのがADIです。
- 青色1号:0〜6mg/kg体重/日
- 青色2号:0〜5mg/kg体重/日
数字だけを見れば、青色2号のほうがADIは小さくなっています。
しかし、ADIが小さいことだけを理由に、青色2号のほうが危険だと判断することはできません。
ADIは、それぞれの物質について毒性試験や安全性評価を行ったうえで設定される数値です。
青色1号と青色2号は、どちらも別々の安全性評価を受けている食品添加物です。
色の違いと健康リスクの大小を直接結び付けないことが大切です。
【2026年最新の食品添加物規制】米国の合成着色料見直しと日本への影響
2026年の食品添加物規制を考えるうえで、注目すべき動きが米国のFDAによる合成着色料の段階的な削減方針です。
米国では青色1号も段階的な削減対象に
2025年4月22日、米国保健福祉省(HHS)とFDAは、石油由来の合成着色料を食品供給から段階的に減らす方針を発表しました。
対象には、次の6種類が含まれています。
- FD&C Blue No.1(青色1号)
- FD&C Blue No.2(青色2号)
- FD&C Red No.40
- FD&C Yellow No.5
- FD&C Yellow No.6
- FD&C Green No.3
FDAの現在の取り組みでは、これらの着色料について、2027年末までの食品供給からの段階的な排除を目指しています。
ここで注意したいのは、米国で青色1号の使用許可がすでに取り消されたわけではないということです。
FDAの規制情報では、FD&C Blue No.1は引き続き「永久収載・ロット認証が必要」とされています。
つまり、現時点では法的な全面禁止と、食品メーカーに対する段階的な削減方針は別のものです。
2026年現在、日本ではどうなっている?
日本と米国では、食品添加物に対する規制の仕組みが異なります。
消費者庁が2025年6月に公表した資料では、青色1号は日本で指定添加物として使用が認められ、EU、カナダ、オーストラリアでも使用が認められていると整理されていました。
また、同資料では米国以外の主要国において、食用タール色素の取り扱いを変更する情報は確認されていないとしています。
2026年10月現在、日本で青色1号の指定が取り消されたという公表情報は確認できません。
したがって、米国の政策変更を理由に、日本でも青色1号が禁止されたと理解するのは誤りです。
今後、天然着色料への切り替えは進む?
米国FDAは、合成着色料の削減と並行して、天然由来の着色料の承認を進めています。
青色系の代替候補としては、次のようなものがあります。
- スピルリナ由来の青色素
- ガーデニアブルー
- 蝶豆花由来の色素
- Galdieria由来の青色色素
ただし、天然由来だから無条件に安全というわけではありません。
天然着色料にも、それぞれの成分や使用条件に応じた安全性評価が必要です。
今後の食品添加物規制では、単に合成か天然かという区分だけではなく、個別の物質について科学的な評価を行うことが重要になります。
【青色1号に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:青色1号は体に悪い添加物ですか?
青色1号は、日本で使用が認められている食品添加物です。JECFAは2017年にADIを0〜6mg/kg体重/日と設定し、通常の食事からの摂取について健康上の懸念はないと評価しています。ただし、ADIの範囲内であることを前提とした評価です。
Q2:青色1号には発がん性がありますか?
JECFAの動物試験の評価では、発がん性に関する懸念は認められていません。遺伝毒性についても、利用可能なデータを総合して懸念はないと判断されています。
Q3:子どもには青色1号を食べさせないほうがよいですか?
通常の食品摂取による健康上の懸念は、JECFAの評価では認められていません。ただし、子どもは体重が軽いため、同じ摂取量でも体重当たりの摂取量は大きくなります。お菓子や清涼飲料水に偏らない食生活を心掛けることは合理的です。
Q4:青色1号と青色2号はどちらが危険ですか?
一方が明確に危険だと判断できる根拠はありません。両者は化学構造が異なり、ADIも青色1号が6mg/kg体重/日、青色2号が5mg/kg体重/日と別々に設定されています。
Q5:青色1号は食品表示のどこを見れば分かりますか?
原材料名や添加物欄を確認してください。「食用青色1号」「青色1号」「青1」「着色料(青色1号)」などの表記が目印です。
Q6:2026年現在、青色1号は日本で禁止されていますか?
禁止されていません。日本では指定添加物として使用が認められています。米国では2027年末を目標とした段階的な削減方針が進められていますが、日本の規制とは別です。
まとめ:青色1号は避けるべき?2026年に知っておきたい判断基準
青色1号は、ブリリアントブルーFCFという合成着色料です。
日本では食品添加物として指定され、使用できる食品や品質について規格・基準が設けられています。
安全性については、JECFAが2017年にADIを0〜6mg/kg体重/日と設定し、発がん性や遺伝毒性についても懸念はないと評価しています。
日本国内の摂取量データも、国際的なADIと比較するうえで参考になります。
消費者庁が公表した令和5年度のマーケットバスケット方式による推計では、青色1号の一日推定摂取量は次のとおりでした。
- 混合群:0.0006mg/kg体重/日
- 表示群:0.002mg/kg体重/日
- JECFAのADI:6mg/kg体重/日
さらに、令和4年度の生産量調査に基づく推計では0.075mg/kg体重/日とされており、こちらもADIを大きく下回っています。なお、調査方法や対象が異なるため、数値は直接同一条件で比較するものではありません。
【プロの結論】青色1号との付き合い方
通常の摂取を過度に恐れる必要はない
国際的な安全性評価と日本国内の摂取量推計は、通常の食品摂取による健康上の懸念が小さいことを示しています。
子どもは体重当たりの摂取量に注目
お菓子や着色飲料に偏らず、食事全体のバランスを考えることが大切です。
添加物を避けたい人は表示を確認
青色1号を摂取したくない場合は、原材料表示で青色1号や青1などの表記を確認できます。
海外の禁止・削減政策と日本の規制を区別
米国の段階的削減方針は、日本での使用禁止を意味するものではありません。
青色1号を含む食品を一度食べただけで、直ちに健康被害が起こると考える必要はありません。一方で、添加物をできるだけ減らしたいという選択も尊重されるべきです。
大切なのは、「合成着色料だから危険」「国が認めているから無条件に安全」という両極端な判断を避けることです。
2026年現在の科学的評価、国内の使用基準、実際の摂取量を踏まえれば、青色1号は過度に恐れる対象ではなく、正しい情報に基づいて選択できる食品添加物と考えるのが妥当です。 (出典: 青色 1 号(Yahoo!ニュース))