【1】桐生西宮神社の由緒・歴史|1901年創建と兵庫県西宮神社との特別な関係
明治34年に兵庫県の西宮神社から御分霊を勧請
桐生西宮神社が創建されたのは、明治34年(1901年)です。
兵庫県西宮市に鎮座する西宮神社は、えびす様を祀る総本社として知られています。桐生西宮神社は、その西宮神社から蛭子大神の御分霊を迎えて創建されました。
西宮神社本社から直接御分霊を受けた直系分社という位置づけから、桐生西宮神社は「関東一社」と称されています。
この関係は単に同じ神様を祀っているというだけではありません。総本社と分社という由緒上のつながりが、2024年に始まった福男選び神事にも結び付いています。
なぜ桐生に西宮神社が迎えられたのか
その背景には、織物産業で栄えた桐生の歴史があります。
江戸時代から桐生は織物の町として発展し、各地から職人や商人が集まりました。商業活動が活発になるにつれ、商売繁盛や福徳を願うえびす信仰も地域に根付いていきます。
転機となったのが、明治31年(1898年)の本町三丁目周辺の大火です。
桐生市の歴史的風致維持向上計画によると、この火災を受けて町の復興を進める機運が高まり、西宮神社の分社を迎える動きが具体化しました。
町の有志による「西宮分社建設願」が提出され、町民の寄付によって社殿の建設などが進められます。
つまり桐生西宮神社は、商業の発展と町の復興という二つの願いを背景に誕生した神社なのです。
桐生えびす講は1901年から続く地域の伝統
桐生えびす講は、神社の創建とともに地域の重要な年中行事として定着しました。
桐生市の歴史資料では、毎年11月19日・20日に開催される祭礼として紹介されています。
また、明治41年(1908年)には、本町通りから神社へ続くえびす参道の整備も進みました。
参道に縁起物の店が並ぶ現在の祭りの景観にも、こうした町の発展の歴史が残っています。
【2】御祭神は蛭子大神|美和神社の大黒様と二柱の福の神
御祭神・蛭子大神とはどのような神様?
桐生西宮神社の御祭神は、蛭子大神(ひるこおおかみ)です。
えびす様として広く親しまれており、商売繁盛や福徳を願う人々から信仰されています。
神社の由緒資料では、『古事記』に登場する水蛭子(ひるこ)と、えびす信仰の関係についても説明されています。
蛭子大神は、もともと豊漁や航海安全の神として信仰され、その後、収穫物を取引する市場や商業の守護神としても広く親しまれるようになりました。
こうした歴史が、現在の商売繁盛のご利益につながっています。
桐生西宮神社の主なご利益
代表的な祈願内容は次のとおりです。
| ご利益 | 祈願内容 |
|---|---|
| 商売繁盛 | 事業の発展、売上向上、商売の安定 |
| 家内安全 | 家族の健康と暮らしの平穏 |
| 生業繁栄 | 仕事や日々の生業の発展 |
| 招福開運 | 幸福や福を招くこと |
| 諸願成就 | さまざまな願いの成就 |
特に商売繁盛は、織物産業で栄えた桐生の歴史と深く結び付いています。
商店や会社の経営者だけでなく、個人事業主、職人、会社員など、自分の仕事を大切にする人にも親しまれている信仰です。
美和神社の大黒様との関係が特別
桐生西宮神社を語るうえで欠かせないのが、隣接する美和神社です。
桐生西宮神社は、美和神社の境内に鎮座しています。桐生市の歴史資料では、美和神社の摂社として位置付けられています。
美和神社の御祭神として知られるのは大物主命(おおものぬしのみこと)です。
大物主命は大国主命との関係が深く、古くから大黒様としての信仰とも結び付いてきました。
桐生西宮神社の由緒資料でも、美和神社の大黒様と西宮神社の恵比須様が並び立つことが、桐生えびす講の特色として説明されています。
神社同士の関係を整理すると?
| 主体 | 御祭神・関係 | 桐生えびす講とのつながり |
|---|---|---|
| 兵庫県西宮神社 | 蛭子大神を祀る総本社 | 桐生西宮神社の分霊元 |
| 桐生西宮神社 | 蛭子大神 | 商売繁盛・家内安全の信仰 |
| 美和神社 | 大物主命 | 大黒様の信仰につながる |
| 桐生えびす講 | 恵比須・大黒の福の神 | 毎年11月19日・20日の秋季大祭 |
| 福男選び神事 | 西宮神社公認の神事 | 2024年から桐生で実施 |
ここで押さえたいのは、恵比須様と大黒様は同一の神様ではないという点です。
桐生では、蛭子大神を祀る桐生西宮神社と、大黒様の信仰につながる美和神社が同じ境内にあることから、二柱の福の神を一緒にお参りできるという特色があります。
【3】桐生えびす講2026の開催日程・時間・見どころ
2026年の開催概要
桐生西宮神社の公式案内と2026年10月13日公開の西宮大祭案内によると、基本日程は次のとおりです。
| 項目 | 2026年の内容 |
|---|---|
| 行事名 | 桐生西宮神社秋季大祭・桐生えびす講 |
| 開催日 | 11月19日(木)・20日(金) |
| 開始 | 19日午前7時 |
| 終了 | 20日午後10時 |
| 福男選び神事 | 20日午前6時 |
| 会場 | 桐生西宮神社境内 |
| 住所 | 群馬県桐生市宮本町2-1-3 |
| 主な行事 | 参拝、祈祷、福まき、神楽、えびす太鼓、えびす横丁 |
19日は朝から夜通し開催され、翌20日の午後10時まで続きます。
2026年の注目行事・福まきの時間
2026年の公式祭典案内には、福まきや奉納芸能の予定も掲載されています。
福まきの予定
| 日程 | 時刻 |
|---|---|
| 11月19日 | 午後4時、5時、6時30分、7時30分、8時30分頃 |
| 11月20日 | 午後4時30分、5時30分、6時30分、7時30分頃 |
そのほか、公式案内の祭典チラシには、白瀧神楽、えびす太鼓、からくり人形芝居なども掲載されています。
白瀧神楽は地域で継承されてきた芸能で、えびす講に合わせて神楽の奉納が行われます。
からくり人形芝居も祭りの見どころの一つです。縁起物の買い物だけでなく、地域に受け継がれてきた芸能を楽しめる点も魅力です。
熊手と「お宝」は何が違う?
桐生えびす講では、熊手とともに「お宝」と呼ばれる縁起物が販売されます。
熊手は、福をかき集めるという意味を持つ縁起物です。
一方、お宝は、萩の枝などに鯛、小判、升、だるまなどの縁起物を飾り付けたものとして紹介されています。
どちらも商売繁盛や招福を願って購入されますが、飾りの形状やデザインに違いがあります。
また、桐生には独自の手締め文化も残っています。
江戸の三本締めとは異なり、桐生では「十締め」「桐生締め」と呼ばれる締め方が伝えられてきました。
三・三・三・チョンと手を打ち、最後に丸く収めるという意味を込めたものです。
織物取引の商談から生まれたとされるこの風習には、商業都市として発展してきた桐生らしさが表れています。
【4】2026年の福男選び神事|参加資格・時間・兵庫県との違い
桐生の福男選びは2024年にスタート
桐生西宮神社の福男選び神事は、2024年(令和6年)に始まった行事です。
兵庫県西宮市の総本社では、毎年1月10日の十日えびすに合わせ、開門と同時に参拝者が本殿を目指して走る「開門神事・福男選び」が行われています。
桐生では、この伝統を総本社公認の暖簾分け神事として実施しています。
そのため、桐生の福男選びは単に走る競争を新しく企画したものではなく、総本社との歴史的なつながりを背景にした神事です。
2026年の福男選び神事は11月20日午前6時
2026年の実施予定は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年11月20日(金) |
| 開始時刻 | 午前6時 |
| 場所 | 桐生西宮神社 |
| 参加対象 | 男女共通15歳以上 |
| 参加方法 | 事前申し込み・抽選 |
| 目的 | 本殿を目指して走り、福を願う |
参加資格については、神社が10月5日に公開した「令和8年 福男選び神事」の募集案内に、男女共通15歳以上と記載されています。
参加を希望する人は、公式の申し込み案内に従って手続きを行う必要があります。
参加申し込みと抽選の仕組み
2026年9月14日付の地元報道では、福男選び神事講社による参加募集についても紹介されています。
報道によると、参加希望者は事前に申し込み、抽選によって出走者が選ばれる方式です。
また、事前枠の申し込みには抽選上の優遇が設けられると説明されていました。
応募人数の上限や締切、抽選の実施時刻などは募集状況によって確認が必要です。参加を考えている人は、公式の申込案内と主催者の最新告知を確認してください。
兵庫県の福男選びとの違い
| 比較項目 | 兵庫県・西宮神社 | 群馬県・桐生西宮神社 |
|---|---|---|
| 開催時期 | 毎年1月10日 | 毎年11月20日 |
| 行事 | 十日えびすの開門神事 | 桐生えびす講の福男選び |
| 始まり | 鎌倉時代に端を発する伝統とされる | 2024年開始 |
| 関係 | えびす信仰の総本社 | 総本社公認の直系分社 |
| 趣旨 | 福を願って本殿を目指す | 福を願って本殿を目指す |
桐生の福男選びを理解するうえで大切なのは、総本社と同じ日に開催される行事ではないという点です。
桐生では11月の秋季大祭に合わせて実施されます。
総本社の伝統を受け継ぎながら、桐生独自の秋祭りに組み込まれた新しい伝統として育てられています。
【5】参拝方法・御札・授与品|熊手を買った後の祀り方も解説
桐生西宮神社の正しい参拝方法
基本的な参拝の流れは、一般的な神社と同じです。
1.手水舎で身を清める
- 右手でひしゃくを持ち、左手を洗う。
- 左手に持ち替えて右手を洗う。
- 再び右手でひしゃくを持ち、左手に水を受けて口をすすぐ。
- 最後にひしゃくの柄を清める。
2.拝殿前で参拝する
- 賽銭を納める。
- 鈴が設置されている場合は鳴らす。
- 二礼二拍手一礼で拝礼する。
商売繁盛を願う場合は、仕事への感謝や今後の発展への願いを込めて参拝するとよいでしょう。
桐生西宮神社の由緒資料でも、手水と二礼二拍手一礼の作法が案内されています。
御札・授与品は何がある?
公式案内で紹介されている秋季大祭のお札は、木札と御神影札の一組です。
御神影札には、えびす様と大黒様のお姿が描かれています。
また、祭礼期間中にはお札の頒布だけでなく、ご祈祷の受付も行われます。
お札を受けることを考えている人は、授与所の場所や受付時間を公式チラシで確認しておきましょう。
お札の祀り方と恵比須・大黒の並べ方
桐生ならではの特徴が、お札と御神影札の並べ方です。
神社の由緒資料では、御神影札について、向かって右側にえびす様、左側に大黒様を祀る習いが紹介されています。
全国的には逆の並び方も見られますが、桐生では美和神社との位置関係に由来する配置が伝えられています。
神棚がない家庭でも、敬う気持ちを大切にして、清潔な場所にお祀りすることが案内されています。
2026年11月の臨時配札所
桐生西宮神社では、えびす講の開催日だけでなく、11月1日から30日まで市内やみどり市に臨時配札所を設置しています。
公式案内に掲載されている場所は次のとおりです。
| 配札所 | 所在地 |
|---|---|
| 大沢呉服店 | 桐生市本町4-340 |
| パッケージプラザオカベ | 桐生市永楽町1-11 |
| 今西商店 | 桐生市本町6-398 |
| 半田屋米店 | 桐生市錦町2-6-25 |
| 花清本店 f.first | 桐生市巴町2-1890-13 |
| 足利屋洋品店 | みどり市大間々1380 |
桐生駅南口にある花清本店 f.firstなど、駅周辺にも配札所があります。
また、郵送での希望についても神社が問い合わせ窓口を案内しています。
【6】アクセス・最寄り駅・交通規制・駐車場|車で訪れる前の注意点
桐生西宮神社の所在地
群馬県桐生市宮本町2丁目1-3
桐生西宮神社は、桐生が岡公園に近い場所に鎮座しています。
周辺には美和神社や歴史的な町並みもあり、祭りの日には山手通りから参道にかけて多くの参拝者が訪れます。
最寄り駅はJR桐生駅・西桐生駅
電車で訪れる場合は、JR両毛線の桐生駅が分かりやすいアクセス拠点です。
神社公式ではJR桐生駅から徒歩約10分、桐生市の観光案内では徒歩約15分とされています。
混雑や信号待ちも考慮して、徒歩10~15分程度を見込むと安心です。
また、上毛電気鉄道の西桐生駅も利用できる駅です。
神社専用駐車場はある?
桐生西宮神社の公式案内では、神社に駐車場はありませんと明記されています。
車で訪れる場合は、桐生市内の駐車場を利用する必要があります。
ただし、祭りの開催中は周辺道路に交通規制が実施されるため、神社の近くまで車で乗り入れる計画は避けた方が無難です。
駐車場所を確保したうえで、徒歩で会場へ向かう方法を検討しましょう。
2026年の交通規制情報は10月13日に公開
2026年の交通規制については、桐生西宮神社が10月13日付で「令和八年 西宮大祭 交通規制情報」を公開しています。
公式案内には規制図が掲載されており、神社周辺の道路や参道の通行について確認できます。
交通規制は、歩行者の安全確保と祭礼運営のために行われるものです。
過去の開催では、山手通り・えびす参道や本町通りの一部が歩行者用道路になりました。ただし、前年の規制時間を2026年にそのまま当てはめることはできません。
車で訪れる場合は、2026年版の規制図を基準に駐車場所と進入経路を決めてください。
アクセス方法の比較
| 交通手段 | 利用方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| JR両毛線 | 桐生駅から徒歩約10~15分 | 混雑時は余裕を持つ |
| 上毛電気鉄道 | 西桐生駅から徒歩圏内 | 駅からの徒歩経路を確認 |
| 自家用車 | 市内駐車場を利用 | 神社専用駐車場なし |
| タクシー | 桐生市内から利用 | 交通規制による迂回に注意 |
初めて訪れる人や祭りの雰囲気をゆっくり楽しみたい人には、公共交通機関の利用が向いています。
【7】桐生西宮神社に関するよくある質問(FAQ)
Q1:桐生西宮神社は兵庫県の西宮神社とどのような関係ですか?
桐生西宮神社は、明治34年(1901年)に兵庫県西宮市の西宮神社から御分霊を迎えた直系分社です。関東唯一の直系分社として「関東一社」と称されています。
Q2:桐生西宮神社の御祭神とご利益は何ですか?
御祭神は蛭子大神です。商売繁盛、家内安全、生業繁栄、招福開運などを願う参拝者が訪れます。美和神社の大黒様とともに、恵比須・大黒の二柱の福の神を信仰できる点も特徴です。
Q3:2026年の桐生えびす講と福男選びはいつですか?
桐生えびす講は11月19日(木)・20日(金)に開催されます。19日午前7時から始まり、20日午後10時までです。福男選び神事は20日午前6時に予定されています。
Q4:福男選び神事には誰でも参加できますか?
2026年の公式募集案内では男女共通15歳以上が対象です。参加には申し込みが必要で、抽選方式となっています。詳細は当年の募集要項を確認してください。
Q5:熊手やお宝はどこで購入できますか?
えびす講期間中、神社周辺や参道に並ぶ縁起物の露店で購入できます。熊手は福をかき集める縁起物、お宝は鯛や小判などを飾った桐生らしい縁起物です。
Q6:桐生西宮神社に駐車場はありますか?
神社専用駐車場はありません。市内の駐車場を利用してください。交通規制もあるため、JR桐生駅から徒歩で向かう方法がおすすめです。
まとめ:桐生西宮神社は歴史と福の神信仰が息づく桐生の象徴
桐生西宮神社は、1901年に兵庫県の西宮神社から御分霊を迎えて創建された、関東唯一の直系分社です。
御祭神の蛭子大神に加え、美和神社の大黒様との関係によって、恵比須・大黒の二柱の福の神を祀る地域ならではの信仰が受け継がれています。
2026年の桐生えびす講は、11月19日・20日の開催です。20日午前6時には福男選び神事が予定され、福まきや神楽、えびす太鼓、熊手やお宝の露店など、多彩な見どころが用意されています。
訪問前には、次の3点を押さえておきましょう。
1. 日程と時間: 11月19日午前7時から20日午後10時まで。
2. 福男選び: 20日午前6時。参加希望者は事前募集要項を確認。
3. 交通: 神社専用駐車場はなく、2026年の交通規制図を確認して公共交通機関の利用も検討する。
桐生えびす講は、単に縁起物を買うための祭りではありません。織物の町として発展してきた桐生の商業文化、町の復興に込められた先人の願い、そして地域で守られてきた福の神信仰が一つになった伝統行事です。
2026年の秋は、桐生西宮神社を訪れ、えびす様と大黒様に一年の感謝とこれからの幸福を祈願してみてはいかがでしょうか。
記事情報の主な参照先:桐生西宮神社公式サイト、桐生市公式ホームページ、桐生市歴史的風致維持向上計画、みんなの学校新聞。 (出典: 桐生 西宮 神社(Yahoo!ニュース))